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上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは、俗に言う「出っ歯」のことです。平成23年の厚労省による調査では、不正咬合(歯並びが悪い症状)に占める上顎前突の割合は12.9%で、叢生(そうせい:乱ぐい歯)に次ぎ2位でした。上顎前突は見た目の問題だけではなく、お口の健康にも大きく関わります。そのリスクや治療方法などをご紹介します。
上顎前突では、前歯の機能である「噛み切り」がうまくできない場合があり、代わりに奥の歯でおこなっていることがあります。その場合、その場合、正常な咬合バランスが崩れてしまい、うまく噛めなくなる、顎関節症を発症しやすいなどのリスクがあります。
前歯が出ていると、唇が閉じづらく、寝ているときなどは開口した状態になりがちです。その場合は、口腔内が乾燥してしまい、唾液が出づらくなるので、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
上顎前突の原因は、さまざまです。歯が生えるスペースが足りなくて前に出てしまうなど、先天的に受け継ぐ要因もありますが、それだけではありません。後天的な、子供の時の癖によるものも非常に大きく影響します。例えば指シャブリや爪を噛む癖、舌で歯を押したりなどです。子供の時の歯並びはどんどん成長していきますので、少しのことで影響を受けてしまうのです。
一言で上顎前突と言っても、人により症状はさまざまです。そして、治療方法もその症状によって変わってきます。軽度の症状であれば、一般的な矯正治療が可能ですが、少し症状が重ければ、歯を動かすスペースをつくるため、抜歯が必要になります。また、さらに重ければ外科手術適応になることもあります。
手術が必要な場合は別にして、歯科クリニックでおこなう上顎前突の治療方法には、大きく分けて2種類あります。一つはワイヤーを使用した矯正です。ワイヤー矯正の中でも目立たないワイヤーを使用したり、歯の裏側にワイヤーを装着する方法もあります。もう一つはインビザラインなどのマウスピース矯正です。透明のマウスピースで目立ちにくく、食事の時などは外せることが特徴です。ただし、どちらの方法も、症状によって適応できない場合もありますので、担当医とよく相談してみましょう。
札幌で「日本矯正歯科学会」の「指導医」以上の資格を持つドクターが在籍し、インビザラインを扱っている歯科クリニックを厳選して紹介します。※2023年6月時点の調査情報を元にしています。